東京高等裁判所 昭和37年(う)1199号 判決
被告人 ジヨン、エル、ノーラン
〔抄 録〕
道路交通法第七二条は、被害者の救護および交通秩序の回復等緊急を要する応急措置をとらせることを定めたものであり、それ以外の目的をもつものではない。したがつて、結果の発生について、運転者の行為が違法であることや有責であることを問わない。すなわち、自己の運転する車両等が事故の発生に関与したものであるかぎり、その結果発生についての故意または過失あると否とは問わないのであつて(大正八年内務省令第一号自動車取締令第二五条につき、大正一五年(れ)第一七四九号同年一二月二三日大審院第五刑事部判決、刑集五巻五八六頁参照)したがつて、運転者は、自己に何ら違法または責任のないことに藉口して、本条の義務を免れることはできない。
(小林健 吉川 目黒)